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応援!格闘詩vol.9
時間差
正義感
内気
一年生
新聞配達
じたばた
雨あがり
見えないところ
介護
矜持
きのう
窯出し
博多山笠
盛夏
なにくそ
エスカレーター
誰がやる
あれもこれも
手術
応援!格闘詩vol.1
応援!格闘詩vol.2
応援!格闘詩vol.3
応援!格闘詩vol.4
応援!格闘詩vol.5
応援!格闘詩vol.6
応援!格闘詩vol.7
応援!格闘詩vol.8
応援!格闘詩vol.10
応援!格闘詩vol.11
応援!格闘詩vol.12
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「時間差」
想いは
すぐに
伝わらない
 
願いは
すぐに
かなわない
 
努力は
すぐに
実にならない
 
なにをやろうが
どうやろうが
 
その頑張りが
カタチになるまで
 
時間差が
生まれる
 
その
時間差に
耐えられなくて
 
みんな
頑張るのを
やめてしまう
けれど
 
タイムラグを
わくわくしながら
待てるひとに
 
きっと
素敵な結果が
やってくる
 
「正義感」
間違った
ことは
間違っている
から
 
正しい
ことは
絶対正しい
から
 

ずっと信じて
疑わない
あいつだった
けれど
 
間違って
いるけれど
正しくて
 
正しいけれど
間違って
いることが
あることも
知ったとき
 
それでも
生き方も
信念も
決して曲げずに
 
ある
決意と覚悟を
胸に抱きながら
 
あいつは
真の正義感に
なっていった
 
そんな
あいつを
馬鹿な奴だと
 
ほんとは
誰にも
馬鹿にする
資格はないのに
 
あいつは
きょうも
たったひとりで
正義漢を
貫いている
 
「内気」
人前に
出ると
 
どうしても
おどおど
してしまう
から
 
あまり
人前に
出るのは
好きでは
ない
 
そんな
性格だと
社会に
出てから
困るよと
 
先生や
親からも
いつも
いわれてきた
けれど
 
性格だから
仕方がない
と思ってた
 
けれど
ある日
自分も
同じだという
 
内気な
ひとと
友達になった
 
そのひとの
友達の
内気なひとも
紹介して
もらって
 
内気な
仲間たちが
集まった
 
いつの間にか
内気なはずが
外気になっていた
 
内気なのでは
なくて
 
ただ
恥ずかしがりな
だけだったん
だと
 
やっと
わかって
みんなで
笑った
 
「一年生」

小学校の
一年生
 
中学校の
一年生
 
高校の
一年生
 
大学の
一年生
 
会社の
一年生
 
人生で
たった
一度の
最下級生
 
いちばん
下っ端の
時代を
 
思い切り
楽しめばいい

 
「新聞配達」

もしかしたら
同じ世代の奴らが
 
そろそろ
寝ようかという
その時間に
 
起き出して
仕事が
はじまる
 
半分
眠ったまま
 
無言で
チラシを
折り込み
 
それが
終われば
自転車いっぱいに
新聞を積んで
 
朝刊の
配達に
向かう
 
まい朝の
ことだけど
決して
慣れることは
ない
 
まい朝
つらい
朝がやってくる
 
雨も
寒さも
慣れることは
ない
 
でも
いちばん
辛いのは
 
雨で濡れた
新聞を
ポストに
入れなければ
ならないとき
 
新聞配達は
目立っては
いけない
 
なにごとも
ないように
 
まい日
当たり前に
新聞を
配達すること
 
それほど
難しいことは
ないと
知ったことが
 
僕の
一生の
財産になった

 
「じたばた」

歯軋り
して
 
地団駄
踏んで
 
七転八倒
して
 
悩みに
悩んで
 
恨みに
恨んで
 
すべてに
絶望して
 
そして
辿りついた
一縷の
望み
 
じたばた
しつづけて
いるかぎり
 
僕は
僕で
終わらない

 
「雨あがり」

あんなに
強く
降っていた
雨が
 
あんなに
激しく
吹いていた
風が
 
あんなに
冷たく
私を
濡らしていた
すべてが
 
嘘のように
消えて
なくなった
 
さっきまでの
あの
ためらいが
 
さっきまでの
あの
後悔が
 
さっきまでの
あの
湿った心が
 
嘘のように
消えて
なくなった
 
雨あがりの
心に
 
あたたかな
陽射しが
ふりそそぎ
 
私は
新しい
一歩を
歩み始める

 
「見えないところ」

みんなに
よく見える
ところでは
 
誰もが
一生懸命
頑張るかも
しれない
 
ぜんぶ
見えてしまう
ところでは
 
誰一人
頑張らない
ひとは
いないかも
しれない
 
けれど
誰にも
見えない
ところで
 
誰も
気づかない
ところで
 
黙々と
頑張れる
ひとが
 
最後には
いちばん
目立ってくる
 
見えない
ところが
いちばん
目立つところ
だって
 
そのひとは
きっと知って
いるんだね

 
「介護」

いつか
やってくる

思っていた
 
いつか
負わなければ
ならなくなる

思っていた
 
けれど
その準備も
その覚悟も
足りなかった
 
突然
やってきて
それからは
ずっと
つづく
 
この日々が
悔悟の日々に
ならないために
 
いまは
ただ
介護の日々に
明け暮れる

 
「矜持」

胸襟を
正し
 
背筋を
正し
 
足元を
正し
 
精神を
正し
 
ただ
真摯に
 
ただ
直向に
 
ただ
真っ直ぐに
 
進み続ける
その
意志こそ
 
誰よりも
誇らかな
矜持と
なる

 
「きのう」

あんなに
頑張ろうと
思っていたのに
 
あんなに
前から
用意していたのに
 
あんなに
一生懸命
だったのに
 
どうしても
頑張れなかった
 
どうして
頑張れなかったのか
 
いまでもまだ
わからないけれど
 
そんな
きのうが
あるから
 
きっと
もっといい
あしたがあると
 
いまは
ただ信じたい

 
「窯出し」

どんなに
想いを込めて
その土を
捏ねようとも
 
どんなに
息を詰めて
そのろくろを
廻そうとも
 
どんなに
願いを託して
その窯に
火を灯そうとも
 
窯出しの
その瞬間
すべては
あらわになる
 
もしかしたら
この瞬間の
そのために
 
陶芸を
やりつづけているの
かもしれない
 
もしかしたら
この瞬間だけの
ために
 
土を
捏ねつづけ
 
ろくろを
廻しつづけ
 
火を
灯しつづけるのかも
しれない

 
「博多山笠」

その瞬間は
突然
やってくる
 
一睡もせず
追い山笠を
待つ人の眼前に
 
震えるように
静まり
かえった
 
紫に煙る
夜明けの
空気を
 
引き裂くように
現れる
一番山笠
 
男たちは
歯を
喰いしばり
 
女たちは
男たちの
無事を祈り
 
ただ
この一瞬のために
この一年を
駆け抜ける

 
「盛夏」

蝉の
鳴き声
以外
なにも
聴こえない
 
青い空と
白い雲
以外
なんの姿も
見えない
 
たった
独り
たった
ひとつのことを
やり続ける
 
見ている
ひとも
助けてくれる
ひとも
応援してくれる
ひとも
誰もいない
 
誰よりも
熱く
誰よりも
孤独な
盛夏のあとに
 
きっと
誰よりも
誇らしい
成果は
やってくる

 
「なにくそ」

あいつに
なにくそ
 
あのこに
なにくそ
 
あのときに
なにくそ
 
あのことに
なにくそ
 
あの後悔に
なにくそ
 
あの想い出に
なにくそ
 
あの怒りに
なにくそ
 
あの悔しさに
なにくそ
 
あの涙に
なにくそ
 
それより
なにより
いまの俺に
なにくそ

 
「薪」

火に
くべられるのを
静かに
待ちながら
 
燃え盛る
その日を
黙って
待ちながら
 
心を
濡らしもせず
しっかりと
乾いたままで
 
その瞬間を
真摯に
待ちわびる
 
高らかに
踊る炎の
そのなかで
ぱちぱちと
はぜるのは
 
自らの
炎で
見つめる人を
熱く
たぎらせられた
 
その
歓喜の
雄たけびか
 
それとも
燃え尽きる
その前の
 
誰よりも
高らかな
勝ち名乗りか
 
薪達よ
誇らかに
燃え滾る
薪達よ
 
君たちこそ
キャンプファイアーの
主役だ

 
「エスカレーター」

ただ
立っていれば
あがって
いける
 
なにも
しなくても
あがって
いけるから
 
誰も
なにも
しようとは
しない
 
ほんとうは
もっと
いろいろ
想えるのに
 
ほんとうは
もっと
いろいろ
やれることは
あるのに
 
ただ
立っているだけで
いいからと
 
あぐらを
かいている
ひとに限って
 
ほかには
なにも
考えようとしない
 
ほかには
なにも
考えもしない
 
そんなひとに
限って
 
エスカレーター
ならではの
メリットを
見つけようとも
しないのだから

 
「誰がやる」

俺が
やらなくて
誰がやる
 
私が
やらなくて
誰がやる
 
僕が
やらなくて
誰がやる
 
自分が
やらなくたって
誰かが
やるからいい
 
自分が
できなくたって
誰かが
やってくれるからいい
 
そんなことを
思っている
かぎり
 
誰も
本気で
やろうとは
しない
 
自分が
やらなかったら
誰も
やらない
 
自分が
やらなかったら
いったい
誰が
やるのか
 
そう考える
そう思う
そんな人間が
 
自分が
やるから
いい
 

覚悟を
決めてくれる
からこそ
 
誰かではない
誰かが
 
全責任を
背負って
やってくれるの
だから

 
「あれもこれも」

あれも
したいし
 
これも
したい
 
あれも
やらなきゃ
 
これも
やらなきゃ
 
あれにも
手をつけ
 
これにも
足を染め
 
けっきょく
あれこれ
やりながら
 
けっきょく
なにも
実らない
 
あれも
ではなく
 
これも
ではなく
 
せめて
あれだけは
 
せめて
これだけは
 
考え抜いて
選び抜いて
 
ただひとつで
いいから
 
実らせる
自分に
変わりたい

 
「手術」

全身麻酔で
手術
するから
 
眠っている
あいだに
手術は
終わるから
 
なんて
慰めにも
ならない
 
99パーセント
成功する
から
 
なんて
もしも
1パーセントに
なったら
 
いろんなことが
いっぱい
思い出されて
 
いろんなことを
いっぱい
考えて
 
でも
治ったら
きっとこんどこそ
 
しっかりやろうと
決意したことを
 
必ず
やるために
 
必ず
成功するって
 
必ず
よくなるって
 
がんばれ
私って
 
私は
私に
決意する

 

 

 

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